研究課題/領域番号 |
26370734
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
河合 裕美 神田外語大学, 付置研究所, 講師 (10716434)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英語リズム / 超分節音 / 明示的指導 / 小学校外国語活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、小学校外国語活動及び早期英語教育の教授に必要な音声言語材料の妥当性・有効性を検証し、早期英語学習者のスピーキング能力発達の測定・評価指標を確立し、早期英語音声指導の教授法に貢献することを目指している。前年度に行った第二段階の分析結果については当該年度中に学会発表や論文誌で掲載した。 平成27年度は研究の第二段階である研究対象児童のデータ分析から結果をまとめ、第三段階へ移行した。この段階では、分析結果を踏まえてストーリーテリングや歌を用いて高学年児童に英語音声について分節音・超分節音の両面について明示的な指導を行った。これは前年度の分析結果を受けて、同時期に並行して実践活動を行うことによってどのように日本人児童に英語の超分節的側面を指導すべきなのかを検討したことによる。その結果、高学年児童に対しては明示的指導を行い、その中で日本語と英語の音声的な違いを説明し、特に日本人が習得しずらく、また、日本語音声に置き換えて発音する傾向の分節音を対照的に示す必要性が明らかになった。当初の研究計画では全クラスが等しく指導を受けられるように実践時期をずらすとしていたが、2学年を2年間に渡り実践を施すことで児童の音声習得の発達過程を分析することとした。前年度・当該年度に卒業した児童の音声やテストデータについてはほぼ分析を終了した。児童への実践期間中には、児童の英語リズムの認識能力を新たなテスト方法でデータ収集を行った。具体的には、言語リズムと音楽リズム認識能力の関係性を探るために音楽リズム判別テストと、英語話者が話す英文の強音節を認識できるかどうかのタッピングテストを追加して当該年度中に実施した。これについての分析も終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の平成26年度は少し研究計画から遅れていたものの、平成27年度中には予定通りの分析作業を進めることができたためである。また、分析結果から並行して行った実践活動の中でも、新たに検討し作成したテストを実施することができたためである。 尚、今年度中の学会報告記載について、「研究発表報告」欄では平成27年4月1日以降でないと入力ができないため、本欄をもって以下の学会発表の報告とする。 1.発表者名 Kawai, Hiromi, 2.発表標題 The relationship between Japanese children's L2 phonological awareness and oral English production ability, 3.学会等名 American Association for Applied Linguistics, 期間:2015年3月21~25日, 場所:Toronto, Canada.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は本研究の最終年度として研究の第四段階に移行し、前年度の検証結果から早期英語学習者向けの言語材料モデルと英語リズム発達測定指標を確立し音声テストの結果も含めて、研究の成果を学会・論文投稿・セミナー等の機会で発表していく。特に、小学校教員対象の英語指導法の研修等で紹介し、小学校教員自らが児童に指導できるような教授法を確立できるよう検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学生のアルバイト費用が予定よりは上回っているが、結果的に海外学会参加費用の費用が予定より少なかったためである。また、初年度(26年度)に多くかかっていた物品費が当該年度中は抑えられたためである。しかしながら、平成26年度末に行った国際学会発表(2015年3月21~25日のカナダのトロントにおけるAmerican Association for Applied Linguistics Conferenceでの口頭発表)にかかる経費(渡航費・現地滞在費)が当該年度から平成27年度分に繰り越され、その分平成27年度の実質直接経費が増えたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究の最終年度である28年度中は、国際学会の発表・参加や本研究の成果報告書印刷、物品費の購入費に充てる予定である。
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