研究課題/領域番号 |
26370739
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
栗原 ゆか 東海大学, 清水教養教育センター, 准教授 (50514981)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教師教育 / 現役英語教員 / 学びの過程 / 海外教員研修 |
研究実績の概要 |
日本の中等教育における英語教育カリキュラムの改革に沿って、現在文部科学省をはじめ県や市町村の教育委員会の主導のもと、また個々の教員自らの希望等によっても、現役英語教員のための教員研修が国内・外で実施されている。しかしながら、研修中に参加教員は何をどのように学んでいるか、また研修後プログラムで学んだ内容(例えば、理論や具体的な技能)を、日本の教育環境や各自の学校現場に適合させながら、実際にどのように自分のものとして活かしているかという「専有」過程についての研究は未だ少ない。そのため、本研究では現役英語教員の海外研修を一つの例に、日本人英語教員が研修場所で何をどのように学び、そして研修後に日本の学校現場においてどのように学んだことを専有していくか、という「教員の学びの過程」を調査している。平成23年度より継続して現役英語教員研究を行っているが、平成27年度は、平成23年度~平成27年度にかけて日本の高等学校において英語担当教員から収集したデータを分析し、平成27年8月に山梨で行われた関東甲信越英語教育学会で研究成果を発表し、教師教育研究者と現役英語教員の先生方と意見交換を行った。平成27年度の研究成果としては、教える対象である生徒が変わった場合においても、参加教員は、海外教員研修で学んだ教育的ツール、特に理論を本人の授業展開の土台とし、日本の学校現場や勤務校(生徒含む)の目標、そして本人の目標などに適応させながら使用している状況が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施先の見直しがあったため「遅れている」となった。研究の事前(例えば、ゲートキーパーの許可、研修実施決定の時期など)や研修の最中(例、研究参加者が研究に携わる際に掛かる時間など)について調整が生じたため、本研究を見直す必要があった。しかし、ゲートキーパーからの指摘は、研究参加者(ゲートキーパーと教員)の立場を再考慮することができ、研究者として今後研究を進めていく上で大変ためになる機会となった。その後、平成27年度末から平成28年度現在にかけて、研修先や研究方法など必要箇所を見直している。平成28年度は、この修正計画に沿って、速やかに研究を実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、1)教員研修で、日本人英語教員が何を学び(理論や実践スキルなど)、また2)そうした教育的ツールを実際にどのように学んでいるか、について、海外の研修現場にて調査する。また、3)研修プログラムの責任者と授業担当者においても、研修の目的や役割について調査する。上記1)~3)は意識調査と授業参観にて調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は研究実施先として考えていた米国の海外研修を予定通り進めることができなかった。理由は 本研究の事前プロセスまた研修最中の内容で、研究計画を変更をする必要が生じたためである。しかし、平成28年度は、本研究の修正案を速やかに実施していく予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度5月に、世界各国から英語を外国語として教えているEFL教員が集まる海外教員研修プログラムより、研究許可が下りた。そのため、研究修正案に沿って、予定通り海外研修場所で「教員の学びの過程」について調査を始める。まず主な使用内容として、1)海外への渡航費、2)滞在費、3)プログラム参加費に研究費を充てる計画である。また研究成果の発表として、国内・外の学会に参加する予定である。国内は、東京で実施されるJACET言語教師認知研究会への渡航費、そして国外は米国で行われる the American Association for Applied Linguistics (AAAL)への渡航費や参加費を予定している。
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