研究課題/領域番号 |
26370742
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
淺間 正通 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60262797)
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研究分担者 |
柏樹 良 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (90511329)
田村 敏広 静岡大学, 情報学研究科, 准教授 (90547001)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | eラーニング / ブレンディッドラーニング / 対面授業 / デジタル教材 / 思考連鎖 / 自律学習 / ウェブ教材 / システム構築 |
研究実績の概要 |
平成26年度前半にあっては、まず国内外の初等教育における英語教育としてのBlended Learning(以下、BL)の実際を明らかにするために、文献研究(Webリポートを含む)およびフィールドワークの両面から調査を行った。その結果、国内にあっては「小学校英語」において何らかの形でeラーニングを導入している学校が多く存在していることが明らかとなったが、同時に対面授業の補完としてeラーニングが組み込まれる形態が多いことも鮮明化し、その結果として、時に相互が独立した学習形態であるかのように解されるスタイルが定着し、いわゆる学習者に対する「躓きへの配慮」不足が露呈することとなった。その一方で、国外調査の一貫から訪問したフィリピンのマニラ市内にあるRosario Elementary SchoolやDe Castro Elemantary Schoolなどでの英語授業では、eラーニングをスタート台にして廊下などでの対面方式を利用してグループ学習を促し、いわゆる協働学習を推進するなど、BLの実質化が図られている点が興味深く見て取れた。その公用語としての英語の位置づけが為せる業と見なせなくもないが、一連の対面授業とeラーニングの連鎖を欠きがちな我が国の実情に対する大いなる示唆を得た思いであった。 年度後半では、前述した参考知見を礎とし、担当する授業(共通教育としての英語)においてeラーニング教材を導入したところのBLを実施した。大学授業での実施という点では些か研究テーマから逸脱するよう思われるが、BLを推進していくにあたっての問題点を把握する意味では極めて有効な実験となった。また既成のeラーニング教材が、BLとしての授業に耐えるにはどのようなシステム上の解へと導く連鎖工夫が必要かなども判明し、次年度における小学校英語BL用ウェブ教材の試作への大きな手がかりを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的として掲げている最大のポイントは「ウェブ内在型のBLシステムの構築」である。ウェブ自体にデジタル的特質とアナログ的特質をコラボレーションさせることで、学び(思考)の連鎖を促そうという意図から研究推進しており、26年度研究(初年度研究)においては、その体系的枠組みとしてのフローチャートを9割程度完成させるに至っており、次年度の素材の配置・配列の検討にスムースに着手できる状況にあると言える。
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今後の研究の推進方策 |
現在試作版として大学用英語eラーニング教材をTOEIC内容を素材に開発中である。eラーニング教材と連動した印刷体版は既に完成にいたっており、BL教材としての洗練度を増すべくeラーニング教材に関わるシステム上の見直しを重ねているところである。そして、27年度前半は、その成果を実証すべく担当する授業において実験を重ねながら研究推進する予定である。その結果として、一定の成果が得られた段階で、26年度後半は、小学校英語として学ぶ素材を『Hi, friends!』等から抽出し、システム置換する考えである。
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