研究課題
本研究は、学習者の発話の評価を予測する、インターネットを介して受検できる発話自動採点システムを開発し、大規模プログラムにおけるクラス分けテストおよび達成度テストとして導入の可能性を検証するものであった。過年度において、談話完成タスクを作成し、自動採点に対する受験者の印象に関する調査を行い、自動採点システムの構築手順について検討した。また、作成したタスクを用いて発話データを収集し、本システム導入を検討している英語教育プログラムにおいて授業を担当している教員に実際に評価を行ってもらった。最終年度である平成29年度においては過年度の成果を踏まえ、自動採点システムを構築し、システムの予測精度を検証した。本システムで採用した方法では教員によるスコアとシステムが算出したスコアは74%が一致していた。また、本システムの単語認識率は71%であった。これらの結果から、先行研究に鑑みて、本研究で提案した枠組みを用いてクラス分け試験および到達度試験を自動採点システムによって行うことができる可能性は高いと判断した。本研究では精選した40問の談話完成タスクを用いて2399発話を収集し、発話自動採点システムを構築したが、様々な理由から本研究に使用しなかったタスクがあり、さらには、評価が付与できなかったことから、システム構築に使用しなかった発話が多数ある。今後はこれらの発話を利用してさらに精度の高い自動採点システムを構築する。
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Language Education & Technology
巻: 54 ページ: 23-40