研究課題/領域番号 |
26370750
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山中 司 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (30524467)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大学英語教育 / アウトーソシング / コーソーシング / 言語哲学 / グローバル化 / 国際化 / 大学行政 / アウトバウンド政策 |
研究実績の概要 |
大学業務のコーソーシング事例として、各大学のグローバル・国際化政策を例にケース・スタディを行い、一定の成果を上げることができた。 具体的には、文部科学省より選定されたスーパーグローバル大学の全大学担当者に対し質問紙調査を実施し、外部リソースの活用の有無やその意向について調査を行うことから始めた。結果として、大学のグローバル・国際化分野において、未だアウトソーシングの活用は十分に進んでおらず、戦略的コーソシングの段階には至っていないことを把握することができた。ただしほぼすべての大学がコーソーシングを業務の一部に取り入れることには強い興味を示しており、先行事例の少なさが導入をためらう原因となっていることも明らかになった。ただし、一部の大学、教育機関では、人員の少なさやノウハウの遅れという切実な理由を起因として、アウトソーシングを野心的に実施しており、今後こうした動きは一定程度広まっていくことが想定できる。 こうした現状の調査をもとに、研究代表者が所属する立命館大学のグローバル化政策をケースに、戦略的コーソシングモデルの構築に取り組んだ。立命館大学と外部企業1社、大学子会社1社の3者によるシナジーモデルを構想し、コンセプト、実務面等の詳細の構築を開始した。試行は2016年度中を目指しており、本研究期間中に何らかの実現を伴った成果を出すことを考えている。本事例が良い意味での先行事例となり、大学行政の潜在的な発展性を引き出す一端となるべく、残りの研究期間における取り組みを鋭意行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに大学行政のケーススタディとして、スーパーグローバル大学の全担当者に質問紙調査を行い、その結果を分析・考察することを終了している。一部の複数大学についてはその後ヒアリングに出向きさらなるデータの収集を行っており、十分な調査結果が得られたものと確信する。 調査結果を受けて具体的なモデル構築を開始しており、このモデル構築を完成させるのは、研究最終年度である翌年度(2016年度)である。これらの評価についての検討は2016年度中に行う予定であり、現時点では行うべき項目に関しては全て達成できていると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者が所属する立命館大学のグローバル化政策をケースとして、戦略的コーソーシングモデルを提起・2016年度中に試行運用することで、他大学、他機関にとっての先行事例とすることを目標とする。また同時に、これらコーソーシングモデルの評価論についてのガイドラインを策定し、既存の「丸抱え」と何がどのように違うのか、目に見える形でその意義を理論面、実践面の双方から議論できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
カリフォルニア大学デービス校の教員に外部評価を依頼し、その謝金を支払う際、国際送金等にかかる経費を十分に想定できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の謝金使用予定額を調整することで対応する。金額的には大きくないため、研究内容に大きな支障はないものと考える。
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