• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

東アジア古代・中世における境界意識と仏教信仰の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370755
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

三上 喜孝  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10331290)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード境界意識 / 仏教信仰 / 東アジア世界
研究実績の概要

最終年度の研究成果としては、韓国における仏教遺跡の調査と、日本国内における境界信仰調査があげられる。
韓国のフィールド調査としては,百済の別宮が置かれたとされる益山の王宮里遺跡や弥勒寺址など,仏教遺跡を中心にそこから出土した文字資料を実見調査した。また、国立慶州博物館において、高麗時代の慶州の仏教関連遺物の調査を行った。とくに、慶州・仏国寺の石塔から発見された、高麗時代の重修文書に関して分析を行った。その成果は論文にまとめ、2017年度内に公表予定である。
国内においては,福井県小浜市に残る勧請板の調査を行った。勧請板とは正月に般若心経をはじめとする仏典を読み、その結願の日に願文を板に書いて村落の境界に吊す風習である。これじたいはいまに残る風習だが、この風習は遅くとも中世まではさかのぼり、その文言の中には平安時代の文書にみえるものも確認できる。この風習は各地に存在するが、日本海地域においては外から疫病等が流入するのを防ぐためにとりわけ強く意識されていたと考えられ、そのため現在に至るまでこの風習が残り続けていると考えられる。
研究期間全体の成果としては、中国の四川省、韓国南部、日本の日本海側諸地域のフィールド調査、とりわけ9世紀の仏教信仰にかかわる遺跡、遺物、仏教美術等の調査を通じて、古代・中世東アジア諸地域の境界領域における仏教信仰と国土意識の醸成の問題について見通しを持つことができたことが大きな成果といえる。研究期間中も、その問題に直接かかわる論考や學術講演により、その成果を発信することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 第4節 平安時代の行方地方と南奥2017

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      原町市史 通史編 古代・中世

      巻: 1 ページ: 219-300

  • [雑誌論文] 中世の砂糖贈答に関する二、三の史料2016

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      村山民俗

      巻: 30 ページ: 18-21

  • [雑誌論文] 若狭の勧請板について -2016年4月の調査から-2016

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      村山民俗

      巻: 30 ページ: 102-113

  • [雑誌論文] 峰吉川中村遺跡出土片仮名木簡について2016

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      秋田県埋蔵文化財センター編『秋田県文化財調査報告第505集 峰吉川中村遺跡』,秋田県教育委員会

      巻: 505 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 日本出土古代木簡 -九世紀医療施設に関する木簡-2016

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      木簡と文字

      巻: 16 ページ: 265-273

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 東アジアにおける法伝播の実態と出土文字資料2017

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      成均館大学校東アジア学術院人文韓国研究所国際会議「東アジア出土資料研究の現在と未来」
    • 発表場所
      韓国・成均館大学
    • 年月日
      2017-02-14 – 2017-02-15
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi