研究課題/領域番号 |
26370756
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小倉 佳絵 (高光佳絵) 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (10334591)
|
研究分担者 |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | IPR / 太平洋問題調査会 / ソ連IPR / ВОКС / 全ソ文化交流協会 / ウマンスキー / 米ソ関係 / 中ソ関係 |
研究実績の概要 |
本年度は9月17日(第6回、千葉大学)と1月(第7回、国際文化会館)に2回の研究会を開催し、ロシア史研究者(日中戦争期のソ連外交史料について)、ILO史研究者(第4回IPR上海会議におけるILOの活動について)から専門的な知見の提供を受けた。また、来日した赤見友子(オーストラリア国立大学)氏とIPRを含むさまざまな国境を越えた知識人の活動について議論する機会を得た。 トランスナショナル・ネットワークと諸国家の相互作用解明の中間発表として、国際政治学会の部会企画に応募し、「国際的民間団体と日本外交―「太平洋問題調査会」の第2トラック的側面を中心に」と題して報告を行った。一方、昨年度にロシア史研究者から提供していただいた専門的知見(ロシア語史料の読解)を基礎として、共同研究の成果を「「太平洋問題調査会」とソ連支部の設立と米ソ関係」として『渋沢研究』に発表した。 史料調査としては、家近が韓国「金九記念館」「国立中央図書館」(ソウル市)・「国家記録院」(太田市)において戦時中の中華民国、特に蒋介石と中国に亡命していた金九(大韓民国臨時政府主席)との関係、韓国のIPR参加活動と独立運動との関係にかんする史料を収集したほか、京都大学・東京大学・愛知大学所蔵のIPR関連史料も収集した。高光は、ハワイ大学マノア校においてIPR史料の調査を行い、日米協会等の民間団体の日本側未公刊史料に詳しい飯森明子氏(常磐大学)の協力を得つつ、包括的な収集を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中間報告として、学会における部会企画に採用され、専門的知見の提供を受けての論考を学術雑誌に発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、1940年代にアメリカ政府の要職に就いたアメリカIPR関係者が戦後秩序形成に与えた影響を分析する予定であるが、調査地にカナダ(高光)、タイ(家近)を加え、視野の一層の拡大を図る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
史料調査地の見直しを行い、最終年度に、カナダとタイを追加するため、本年度の物品費等の執行を抑制したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
カナダ(カナダ国立公文書館およびマニトバ大学文書館)、タイ(タイ国立図書館)における史料調査。
|