10世紀以前に請来した典籍の大枠を把握するために、仏典や漢籍名が記載された目録群の内容を比較検討し、類別・整理したデータベースを作成した。 その結果、テキストの請来ルートの系統としては、中国とともに朝鮮半島からの請来が一定の比重を占めたことを解明できた。また請来典籍が古代国家の知識・思想編成に果たした役割とその変遷について、華厳宗や密教などの宗の再編成などの事例から研究を進めた。また請来された典籍の地方への普及と活用の一端を、平安期以降の北陸地域の事例から明らかにした。なお典籍目録群のデータは公開準備中である。
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