平成29年度は、朝倉氏関係文書調査として、9月に八戸市音喜多家(青森県八戸市)、12月に若狭歴史博物館(福井県小浜市)・長浜市加藤家(滋賀県長浜市)、3月に国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)・東京大学史料編纂所(東京都文京区)・国立公文書館(東京都千代田区)・大覚寺・泉涌寺(京都府京都市)に出張し、朝倉氏関係文書および朝倉氏と関わりのある戦国大名関係文書の閲覧・調査・撮影を行った。平成29年度までの調査により、朝倉氏関係文書を所有および保管する機関や個人宅のうち、写真データの入手が困難なところ、あるいは原本確認が必要なところについては、ほぼ調査が完了したことになる。 また、自治体史・史料集の総めくり作業については本年度も継続して実施した。これらの調査により、朝倉氏関係文書目録および文書集の作成に必要な情報や画像をおおよそ入手することができたため、本研究の最終年度の作業として、これまでの4年間の文書調査や、東京大学史料編纂所所蔵写真帳・謄写本や架蔵影写および本自治体史・史料集の総めくり作業によって入手・確認した情報をもとに、朝倉氏関係文書の入力作業にとりかかり、文書目録についてはほぼ完成させることができた。したがって、今後は本目録の精査とそれをもとに文書集の編集作業を実施していくこととなる。 一方、一乗谷周辺村落調査については、本研究の過去3年間で、一乗谷朝倉氏の城下周辺範囲と考えられる地区の調査はほぼ終了したため、平成29年度は、過去の調査で不十分であったところの補充調査を行い、調査によって得られた情報を整理し、科研費研究成果報告書として冊子にまとめた。また、本調査により新たに発見された石造物の一部は、福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館のホームページの「石造物検索システム」に掲載した。
|