研究課題
基盤研究(C)
農業災害は、8世紀後半から11世紀前半までは旱害が多く、12世紀からは水害や風害が増加し、15世紀以降は災害数が激増する。風害は台風によるものが多いが、中世後期には冬の季節風が強まり、日本海岸では飛砂の増大によって砂丘が発達し、港湾・集落の立地も変化する。虫害は古代には国家的な情報収集と祈祷が実施されたが、中世になると仏教的解釈にもとづく地域的な儀礼が中心になる。害虫の多くは越冬できず、自然のメカニズムによる回復が宗教的対応の成果とみなされた。
人文学