本研究は、これまで主として「様式論」「機能論」といった文字列情報を中心として進められてきた古文書学を、「料紙論」「形態論」といった非文字列情報を中心として進展しつつある近年の古文書学と有機的に関連させることで、その新たな飛躍を試みようとしたものである。 具体的には米沢市立上杉博物館所蔵「上杉家文書」、東京大学文学部所蔵「青蓮院文書」、國學院大學所蔵「久我家文書」「吉田家文書」、そして皇學館大学所蔵の中世文書について、熟覧を行うとともに顕微鏡画像撮影等の調査を実施し、特に詳細な調査を行うことのできた皇學館大学所蔵の中世文書55点について、高精細画像と釈文を載せた研究成果報告書を作成した。
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