研究課題/領域番号 |
26370781
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
橋詰 茂 徳島文理大学, 文学部, 教授 (40462072)
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研究分担者 |
古田 昇 徳島文理大学, 文学部, 教授 (30299333)
清水 真一 徳島文理大学, 文学部, 教授 (70359446)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小豆島石丁場 / 慶長小豆島絵図 |
研究実績の概要 |
文献史料調査では、土庄町旧庄屋家笠井家・三宅家所蔵の石材関係史料の収集を終え、研究に活用している。県外関係では永青文庫所蔵の石材関係史料の調査を実施し、収集をはかった。文献に表れた土庄町内の石切丁場跡の詳細な箇所について山中に入り踏査した結果、丁場跡と推定できる箇所を2カ所で発見した。他については次年度に踏査の予定である。 石切丁場跡の考古学的調査は、前年度に引き続き研究協力者・学生補助員とともに実施、千振島調査は終了し収集資料の整理作業にかかりつつある。また大坂城関係の資料収集と現地調査を実施し、小豆島から輸送された石材の陸揚げ地を確認した。未調査であった小豆島東海岸部の予備調査を実施し、八人石丁場崖下の海中で角石と見られる石材を数個発見した。本格調査は次年度に実施予定だが、石材搬出場所と積み出し方法を明らかにできる可能性が出てきた。 千振島・岩谷・小瀬各石丁場跡の種石に残る矢穴をシリコンによる型取りをしたが、石丁場で大きな差違が見られ、それぞれの大名が抱える石工による特徴が表れていると考えられる。大坂城石垣に残る刻印と比較するため、残石の刻印の拓本を採取して資料化をはかっている。これらの成果の一部を、学生主体展覧会「残された石の声-石がつなぐ小豆島と大坂城-」に資料提供展示した。 一方、笠井家所蔵史料調査の結果、慶長10年小豆島絵図が香川県有形文化財に指定されたことは特筆できよう。26・27年度の研究成果の一部を「小豆島の大坂城築城石丁場と石材搬出に係る諸問題」として論文発表した。今後は、地元で行っている古文書調査で石材関係史料の掘り起こしをはかる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献史料調査では県内の主たるものは終了し、県外史料調査も一部は終えた。ある程度順調に進展している。 石丁場調査に関しては、千振島調査は終了して報告書作成の準備にかかっている。土庄丁場の文献に見られる丁場跡と推定できる箇所を発見、また小豆島東海岸部では海中から角石を発見するなど予想以上の成果をあげている。
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今後の研究の推進方策 |
文献史料調査は、県外調査に重点を置き実施予定。特に黒田・鍋島氏関係資料の収集に努める。また、地元古文書調査団と提携しながら、新たな史料の掘り起こしをはかる。それにともない文献史料記載事項との整合性確認のため、土庄丁場跡の詳細な調査を計画している。 考古学・地理学調査では、小豆島東海岸部の本格調査を実施し、石材積み出し地の状況を明らかにしたい。ただ、小豆島だけでもまだまだ調査範囲が広く、他の島々まで手が回らない現状であるため、小豆島に限定しての調査計画に変更し、取り組んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた文献史料調査が、相手先の都合で中止となったため、予算が残る結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度予定していた調査先を含めた調査を早い段階で行い使用する。
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