研究課題
基盤研究(C)
本研究では樺太千島関連の文献資料を収集し、これらの特質を明らかにしてきた。全体的な傾向として北進論とされる言説には、①「北門の鎖鑰」という言に代表される北守のための北進論、②満蒙華北方面への進出をめざす<大陸北進論>、③シベリア・ロシア極東への進出をめざす<征露論>に分類されることを論じた。また、個別事例として日持上人の海外布教伝説をめぐる言説群をとりあげ、近世までの蝦夷地の支配を正当化した言説が拡大再生産され、樺太や満蒙・華北地域枝の進出を支えていた実情も論じた。
サハリン樺太史