これまで三都を中心に進められてきた近世都市史研究に対し、地方城下町の比較検討をし、類型化をめざした研究である。そのさい、武家地、町人地、都市下層社会など、城下町を構成する各要素に即して比較を進めたことが特徴である。そのため、萩をはじめ、岡山、鳥取、松江、津山などについて、絵図類も含めて該当する史料を収集することに重点をおいた。そのうえで、都市下層社会同士の比較、都市社会が周辺農村との関係において成り立っていることの解明、広域を移動する労働力のあり方、などについて成果を発表した。また都市社会の分析方法や近世身分社会の特質に関する研究整理も行っている。
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