本研究は、各種の讃岐国絵図及び城下絵図、近世の歴史書・地誌類を主な資料として、近世初期の讃岐国においての、大名による城下町建設、河川の改修、ため池の修復・新造について考察することにより、国土開発がいかに進められたか、について明らかにした。 主な成果としては、①讃岐国が生駒家の支配下にあった寛永年間と、高松松平藩初代藩主・頼重の治世下の万治~寛文年間の2期に開発の画期があること、②第1期においては自然との調和がはかられていたが、第2期においては乱開発に近い状況がみられること、③各種の讃岐国絵図及び城下絵図などの絵画資料の史料としての有効性が検証されたこと、などがあげられる。
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