この5年間にわたって、大隈重信の文化的活動を、政治活動との関連を視野に入れながら、研究を進めてきた。この5年間に形にしえた代表的な成果としては、『大隈重信―民意と統治の相克―』(中央公論新社、2017年)が挙げられるが、それ以外にも多くの論文や研究報告・講演などを行い、研究を進めることはもちろん、その社会への還元を行うことができたと考える。とりわけ、第二次大隈内閣期に見られる「大隈人気」の背景として、「文明運動」と呼ばれる大隈の文化的な活動が果たした役割を克明に明らかにし、さらにその文化的活動の内実や、大隈没年に至るまでの文明思想の変化を明らかにしえたことは大きな成果であったと考える。
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