2017年度は、8月29日から9月10日の日程で英国を訪問し、前年度に引き続きLondon School of Economics LibraryにおいてWilliam Farr Papersの調査をおこなった。 本史料の収集と解析が本研究の核であったが、研究開始当初はその利用が予想以上に困難を極め調査自体思うように進まなかった。これに対して2016年度から、同図書館におけるマイクロ史料の閲覧が格段に利用しやすくなり、ようやく画像データを自前のUSBに保存し持ち帰ることが可能となった。2017年度は、この前年度の作業をようやく完了し、同史料を全冊複写のうえで持ち帰った。これは、マイクロフィルム4巻、2000コマにもおよぶ相当大部な史料である。そのため、その内容の分析を本研究の当初計画年度内に完了することは残念ながらできなかった。本年度で研究期間は終了するが引き続き作業は進めていきたい。 また本年度は、2015年5月2日にアメリカ医学史学会(AAHM)で‘Why was the opium smuggled by John Hartley seized for ten years?: Examining the 1870s Anglo-Japanese dispute over drug control’と題しておこなった口頭発表(於アメリカ、ニューヘイブン)を大幅に加筆修正して、‘The John Hartley Cases: Examining the 1870s Anglo-Japanese Dispute over Opium Control’との題目で論文を作成した。これは現在発表の準備を進めているところである。
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