生命統計は、19世紀西洋で発達し、社会保険制度や社会政策の確立に影響を与えたものである。この研究は、まず英国においてこの生命統計を発達させたウィリアム・ファーの理論と実践を検討し、またその英国における現状とおなじく生命統計を導入した日本の事例とを比較する。この検討を通して、本研究は公衆衛生の視点から各国民国家の特性の相違を明らかにするものである。与えられた4年の研究期間の間に、本研究はウィリアム・ファー文書を調査しその複写物を持ち帰った。また本研究の成果として、「明治『医制』再考」(『大手前大学論集』第16号、2016年)などの論文を発表した。
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