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2014 年度 実施状況報告書

明代中国における審判・軍功評価事例の集積による辺疆統御様態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26370816
研究機関弘前大学

研究代表者

荷見 守義  弘前大学, 人文学部, 教授 (00333708)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード按治 / 遼東鎮 / 朝鮮王朝 / 巡按山東監察御史 / 明律 / 雲南 / 藩校古典籍 / 弘前藩
研究実績の概要

当該年度は、著書1冊と学術論文1編を刊行し、国際公開講座における講演1回、シンポジウム報告1回を行ったほか、雲南で収集した史料の解析、旧弘前藩古典籍中の明律関係史料の解析を進めた。著書は『明代遼東と朝鮮』(汲古叢書113)であり、2014年5月に汲古書院より刊行した。学術論文は「陳王庭と張銓-明代遼東監軍御史考-」を同9月に公刊した。著書においては遼東鎮に視点を定めて、監察の任を負う巡按山東監察御史(遼東鎮担当)及び分巡道・分守道にどのような人々が任命されていたかを整理して行った。この中、明朝末期においては、遼東鎮を担当する巡按山東監察御史の中に、最初は監軍御史を兼任する者(陳王庭)が現れ、やがて巡按監察御史の肩書が取れて監軍御史という名称となる。この現象を追求することは著書では及ばなかったので、「陳王庭と張銓-明代遼東監軍御史考-」において初歩的な分析を試みた。
按治に関しては明律や問刑条例に関する整理・理解が不可欠である。この方面の初歩的な研究は存在するが、踏み込んだ研究が圧倒的に不足する。これに関して、東奥義塾高等学校所蔵の旧弘前藩古典籍の中に江戸時代の明律や問刑条例があることが、当該年度の調査で明らかとなった。このことは弘前大学地域未来創生センター藩校資料調査プロジェクトとして2月のシンポジウムにおいて報告するとともに『東奥義塾高等学校所蔵 旧弘前藩古典籍調査集録』に記載した。また、夏における雲南省での調査の結果、雲南に展開した明軍の動向の一端が明らかとなって来た。これに関連する実地調査の分析結果を、同年11月に弘前大学人文学部国際公開講座2014「日本を知り、世界を知る アジアの文化・歴史《再発見》-津軽・日本・そして中国-」において「雲南-中国南辺から見る世界-」として、研究成果の地域還元を兼ねて講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

明代中国の特に遼東鎮に関わる按治・軍事裁判関連史料の整理は、特に『明実録』ベースでは順調に進展している。ただ、明朝档案からの史料の抽出が膨大な作業となっており、ほぼ計画通りの進展ではあるが、苦闘を続けている。
中国における調査は、分担をしている別科研Aの資金での調査が意外な成果を生み、本科研のテーマに使える史料が集まった。このことでは予想以上の進展があったと言い得るが、一部予定していた海外調査を翌年度に繰り越さざるを得なくなり、差し引きではおおむね順調な進展というところに落ち着いた。

今後の研究の推進方策

計画上の変更はないが、翌年度に繰り越した海外調査を必ず行うほかは、引き続き史料からの関連文献の抽出、明律関連の調査、論文等の執筆を予定通り遂行していくものとする。

次年度使用額が生じた理由

本来計画していた海外調査の目的がおおむね達成されたので、計画の一部を次年度の調査とあわせて施行するため。

次年度使用額の使用計画

研究計画全体の推進に影響を与えない範囲で、中国等における海外調査に加え、韓国ソウル大学における調査研究を充実させる計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 陳王庭と張銓-明代遼東監軍御史考-2014

    • 著者名/発表者名
      荷見守義
    • 雑誌名

      (中央大学人文科学研究所)人文研紀要

      巻: 79 ページ: 165-197

  • [学会発表] 雲南-中国南辺から見る世界-2014

    • 著者名/発表者名
      荷見守義
    • 学会等名
      弘前大学人文学部国際公開講座2014
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      2014-11-03
  • [図書] 明代遼東と朝鮮2014

    • 著者名/発表者名
      荷見守義
    • 総ページ数
      458
    • 出版者
      汲古書院

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公開日: 2016-05-27  

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