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2017 年度 実績報告書

明代中国における審判・軍功評価事例の集積による辺疆統御様態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26370816
研究機関弘前大学

研究代表者

荷見 守義  弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00333708)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード軍事審判 / 経略 / 禦倭 / 辺境紛争 / 档案
研究実績の概要

明代中国において、北辺防衛と沿岸防衛を軸として、辺境をいかに防衛するかということは、大問題であった。辺境に投入する人的・物的資源、財政上の負担は膨大であり、またその商業等に与える影響も大きなものがあった。その上で、辺境に駐屯して防衛に当たる官軍の適切な保持はさらに悩ましい問題であった。特に官軍兵士の相次ぐ逃亡、逃亡の原因となる上官による軍士に対する搾取、また、モンゴル等の襲撃に対する失守とその隠蔽、戦功の誤魔化し、謂わばそこにはありとあらゆる虚偽・偽計が存在したと理解されるのである。それを遼東を中心に「明代遼東武官の罪と罰‐明初から宣徳年間までを中心に‐」として発表したが、またこれを中国・廊坊市の廊坊師範学院を会場とした「明朝及其所処歴史時代国際学術研討会」において「明代遼東武官的罪与罰」として発表した。
なお、翌年度発表予定の「曹ほと于応昌‐明代万暦初期の監察事例から‐」では、万暦九年(一五八一)、総兵官李成梁専権への道が切り開かれつつあった時期の遼東に睨みを効かせていた張居正の門生である巡按山東監察御史劉台が、こともあろうに張居正の専横を弾劾したことから、却って張居正の意を受けた勢力によって劉台が失脚に追い込まれた事件を取り上げる。万暦九年当時の巡按山東監察御史于応昌はこの劉台失脚に手を貸した張居正派の人士であったと同時に、李成梁とも気脈を通じていたと見られ、李成梁に忌避された遼陽副総兵官曹ほを于応昌は失脚へと追い込んだと謂われるが、そうとも言い難いことを档案史料から論証した。
「明代中国の辺防官制における海と陸」では、文禄慶長の役において明軍を指揮した文武の高級官僚がいかなる資格において戦線に臨んだかをその肩書から分析し、陸上辺境の守備に携わる経略・総督・巡撫が禦倭とか備倭の肩書を兼ねさせることで、海洋からの圧力に明朝が対応した仕掛けを解明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 明代遼東武官の罪と罰‐明初から宣徳年間までを中心に‐2017

    • 著者名/発表者名
      荷見守義
    • 雑誌名

      人文研紀要(中央大学人文科学研究所)

      巻: 88 ページ: 213-216

  • [学会発表] 明代遼東武官的罪与罰2017

    • 著者名/発表者名
      荷見守義
    • 学会等名
      明朝及其所処歴史時代国際学術研討会
    • 国際学会
  • [図書] 海と陸の織りなす世界史2018

    • 著者名/発表者名
      弘末雅士編 髙橋秀樹 清水和裕 上田信 渡邊佳成 荷見守義 荒野泰典 和田郁子 疇谷憲洋 唐澤達之 鈴木英明 守川知子  弘末雅士 佐々木洋子 中里成章 石川禎浩 土田映子 栗田和明
    • 総ページ数
      345
    • 出版者
      春風社
    • ISBN
      9784861105920

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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