研究実績の概要 |
本研究計画は、第二世代の東洋学者・石濱純太郎(1888年-1968年)の収集した図書等および研究資料を精査し、現在の研究水準から見て学術的価値の高いものをデジタルアーカイブとして国内外の学界に提供するための基礎的な調査・研究を行うことを目的とした。特に将来、展覧会展示が見込まれるもので、物理的な劣化の著しい資料については、専門業者に修復を依頼して修復とデジタル画像撮影を行い、公開・展示のための整備を行った。 (1)石刻拓本:①拓本(約1300点)を、優先度に応じて再整理した(劣化防止のため保存用の中性紙の封筒、箱に入れ直す)。隋唐時代墓誌銘拓本については、全点の目録データを作成し公刊した。②企画中の博物館展示に備え、1935年の内モンゴル学術調査で収集された拓本、および美術的に価値の高い拓本、合計26点について、修復・デジタル画像撮影を行った。 (2)重要・稀覯図書、雑誌・新聞:①歴史的典籍NW事業(国文研)の対象資料(大阪大学分)として、和書(近世刊本・写本)中の稀覯文献を選定した。②満洲国期のモンゴル語新聞『フフ・トグ(青旗)』について、主催・共催等の形で3回の国際研究集会(平成26年12月20日、同27年9月19日、同29年8月26日)を行い、うち2回の成果を公刊、サイト上で公開した(OUFCブックレットvol.7,9)。③『フフ・トグ(青旗)』の1941年刊行分の紙面、および記事索引(モンゴル文字・ローマ字転写・日本語訳)を公刊、サイト上で公開した(OUFCブックレットvol.10(1),(2)。他研究グループと共同)。④『フフ・トグ(青旗)』附録のカレンダー2点、世界地図2点の修復・デジタル画像撮影・レプリカ制作を行った。 (3)その他:後継計画として「近代学術資産の活用とその展望」の共同策定、および大阪大学総合学術博物館での展覧会企画を継続した。
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