研究課題/領域番号 |
26370826
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
舩田 善之 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 講師 (50404041)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | モンゴル / 宋 / 戦争史 / 交通史 / 山城 / 四川省 / 重慶市 / 国際情報交換:中国 |
研究実績の概要 |
本研究課題の第二年度である本年度も、初年度に引き続き、文献・文書・石刻史料の収集・整理・分析と現地調査に重点をおいた。加えて、中国四川省瀘州市において、本研究課題に合致するテーマの国際会議「宋元四川戦争中的神臂白高峰学術交流会」が開催されたため、この会議に参加して成果公表を行った。 現地調査については、二度中国に渡航し、モンゴルの侵攻に対して宋が築いた山城におけるフィールド調査と博物館における文物調査を実施した。まず、上記の国際会議のエクスカーションとして神臂城を訪問して長江及び内部から山城の構造と特徴を調査することができた。次に、研究協力者とともに重慶市及び四川省南充市の多功城・釣魚城・運山城・青居城を調査した。後三者の調査に際しては、重慶市合川区世界遺産申請委員会・釣魚城管理局及び西華師範大学歴史文化学院・四川古城堡文化研究中心の職員・研究者の案内を得て、彼らの調査成果を含め、貴重な知見を得ることができた。また、瀘州石刻芸術博物館・重慶中国三峡博物館・明玉珍睿陵陳列館・釣魚城古戦場遺址博物館・四川博物院において関連の文物を実見調査した。これらの過程で、上記の国際会議に参加した多くの研究者、調査に協力と便宜を提供して頂いた現地研究者らと関連の研究情報を交換した。 成果の公表としては、上記の国際会議で「蒙宋襄樊包囲戦与其軍事拠点」と題する基調講演を行い、西華師範大学で西華師大講壇第210期として「蒙古帝国的世界戦略与軍事戦略」と題する講演を行った。そのほか、論文一件を公刊し、一件が印刷中である。 以上のように、研究計画通り現地調査を実施し、現地の研究者からも有益な情報を得ることができ、期待以上の収穫を得ることができた。同時に、成果論文を公刊したほか、計画より一年早く国際会議で基調講演を行うなど、成果公表も順調である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画通り現地調査を実施し、現地の研究者からも有益な情報を得ることができたため。同時に、成果論文を公刊したほか、計画より一年早く国際会議で基調講演を行うなど、成果公表も順調であるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき、史料の収集・整理・分析ならびに現地調査を実施する。現地調査については、交通やアクセスの面で、当初の想定よりも困難を伴うことが判明してきたため、引き続き関連の現地研究機関の協力を仰ぐとともに、さらに研究協力者を一名追加して調査に同行することも検討する。国際会議での成果公表については、研究課題に適した国際会議が平成29年度に開催予定との情報もあり、情勢を含めて総合的に選定したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
日程上の問題で現地調査の日程を予定より短縮したこと、また国際会議参加中の滞在費が主催者負担であったこと、また航空券代が想定より安価であったため。一方で、現地調査については、交通やアクセスの面で当初の想定よりも困難を伴うことが判明してきたため、さらに研究協力者を一名追加して調査に同行することを検討しなければならず、次年度に旅費を確保しておく必要が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
想定より高く見込まれる旅費は繰越額と配分額で拠出可能である。国際会議参加に必要な経費を計上しているが、研究課題に適した国際会議が平成29年度に開催予定との情報もあり、情勢を含めて総合的かつ適切に選定したい。
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