研究課題/領域番号 |
26370828
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
青木 敦 青山学院大学, 文学部, 教授 (90272492)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 北宋 / 南宋 / 唐宋変革 / 桑原隲蔵 / 江西 |
研究実績の概要 |
「唐宋変革論」と、桑原隲蔵に始まり、王充恒、Ch‘ao-Ting Chi(経済中心地論)、張家駒、漆侠、斯波義信、程民生、王曾瑜らへと受け継がれた所謂「南進論」を、隋の科挙開始の対南政策的側面、およびそれに淵源する文臣官僚制・皇帝権確立、南方の出版・学者コミュニティの存在と朱子学派の影響力拡大、各マクロリージョンの人口動態および進士出身者の地域的動態、華北との対比における近世宗族(族譜・祠廟・族産を具備した欧陽脩などがモデルになる形態)の南方における開発的側面、などを明らかにすることによって、統合した。ことに、江西派と呼ばれる欧陽脩・王安石を代表とするグループ、元の虞集・呉澄の存在、邱濬を代表とする明初の吉安出身翰林学士(特に庶吉士)のグループを分析することにより、唐から明初にかけての南中国の重要性を指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していなかった、(1)元の虞集・呉澄の存在、(2)明初の吉安出身庶吉士のグループの存在の分析が進んだ点で、当初の研究計画以上に進んだと評価できる。しかし、一方で、宋代江西人脈・敕令形式についての研究が遅滞し、その結果、論文・学会発表等で研究内容を公表するに至らなかった。しかし、内容的には宋代江西人脈・敕令形式についてはほぼ完成しているので、2015年度の研究内容は、2016年度5月の上海における講演会で早々に発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
とくに、明初の政治史については、明代政治史専門家の助言が必要となるため、研究会議を開催するなどの方法によって、この面での実証を勧める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度は在外研究で英国におり、中国書の購入、日本およびアジアにおける会議への参加が難しかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
中国書の購入、および日本・アジアでの会議への参加を行う。
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