本研究では墨書陶磁器資料の基礎的集成として明治大学日本古代学研究所墨書・刻書土器データベースに六朝建康城遺跡、江蘇省鎮江、包頭燕家梁遺跡、隋唐洛陽城の墨書陶磁器データベースを公表した。また墨書陶磁器の空白時期である唐代には墓誌罐があり、この墓誌罐が日本出土の陶製経筒と類似することを発見し、これについて学術報告や論文発表を行った。 中国では江蘇省南京・常州、福建省福州・泉州、上海市青龍鎮・浙江省杭州・寧波・慈渓・上虞、国内では博多遺跡等で墨書陶磁器の現地調査を行った。墨書陶磁器は貿易陶磁及び東アジア交易圏の理解に重要な存在であり、現地調査で得た情報も可能な限り研究成果として発表する予定である。
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