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2015 年度 実施状況報告書

新出楚簡よりみた楚国史の新研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370834
研究機関早稲田大学

研究代表者

工藤 元男  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60225167)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード清華簡 / 繋年 / 弦高
研究実績の概要

戦国楚簡の楚王故事諸篇の史料性について検証するため、同じ楚簡の伝世文献である清華簡「繋年」と組み合わせることを試みた。「繋年」は西周初年から戦国初期までの諸国の活動に関する23章の史書で、その中の第8章を選んで検討した。その内容は晉と秦の関係をめぐるものであるが、『史記』にもほぼ同じ内容が見え、比較検証の方法を考える上でよい材料になると思われる。
その内容は以下の通り:晉の文公7年、秦・晉が鄭を包囲したが、鄭は秦に降るも晉には降らず、そのため晉人はこれを喜ばなかった。秦人は鄭に戍人を置き、鄭人は秦の戍人に北門の鍵を預けた。秦の戍人は人を秦に帰らせて、「私はすでに鄭の門の鍵を入手した。だから鄭を襲いに来るように」と報告させた。そこで秦軍は東進して鄭を襲撃しようとした。鄭の賈人弦高が、商売のため西行したとき、秦軍と遭遇した。そこで鄭君の命と言って、秦の三将を労った。そのため秦軍は帰ることにし、途中滑を伐ち、これを取った。晉文公は薨じたが、まだ埋葬されなかった。子襄公は自ら軍を率いて、秦軍を崤で防ぎ、大いにこれを破った。秦穆公は楚人と好みを結ぼうとして、申公儀を脱出させて帰らせ、和平を求めさせた。秦はこれよりはじめて晉と無道を重ね、楚と好みを結んだ。
当該故事は『左伝』・『国語』・『史記』を初め、『呂氏春秋』などにも見えている。それらを子細に検討して、「繋年」第8章の史料系統を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

出土文字史料に見える故事と伝世文献にみえる同内容の記事のあいだの異同を詳細に分析し、楚簡故事の史料系統を推定する作業を、鄭の賈人弦高について行ってみた。楚王故事ではなく、まず鄭人弦高のケースで分析を試みたのは、当該故事について言及・収録する文献が比較的多いからである。

今後の研究の推進方策

以上の弦高故事で試みた史料系統を推定する方法を、今度は「繋年」に収録された楚王故事諸篇についても実施し、伝世文献との関係を分析する。併せて「上海博物館蔵戦国楚竹書」に収録されている楚王故事についても同様の分析を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 郡県少吏と術数-「日書」からみえてきたもの-2015

    • 著者名/発表者名
      工藤元男
    • 学会等名
      東方学会
    • 発表場所
      日本教育会館
    • 年月日
      2015-05-15
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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