最終年度はインド、ミャンマー両華僑に焦点を合わせ、インドのデリー、ムンバイ、及びミャンマーのヤンゴンの各大学、図書館で史料調査収集し、華僑街などの現地調査をおこなった(ムンバイの華僑街は現在消滅)。この結果、戦時期のインドとミャンマー間の華僑の移動と断絶を解明した。 27年度はマダガスカルのアンタナリボで大学、文書館、国公立図書館で史料調査、収集。また、モーリシャス大学で史料調査後、国立図書館に行き、戦争期、華僑青年出版の『黎明』などを入手。かなりの中国人がモーリシャスに入国していたことを把握した。 26年度は南アフリカ華僑の抗日動態とそして、海外旅費を使用して南アフリカのケープタウン、ヨハネスブルグ、プレトリアなどの各大学、各文書館、各国公立図書館で史料収集した。各種の華僑関係英文史料、文書、新聞史料を多く入手したが、遺憾なことに『僑声報』(ヨハネスブルグの華僑新聞)は戦後のものしかなかった。各華僑街に行き、書店や図書館を訪れた。また、華僑三世で女流作家のメラリン・ヤップに会い、種々質問。 以上、さらに充実させる必要があるが、戦時期、英帝国下の南アフリカ―マダガスカル―モーリシャス―インド―ミャンマーの華僑の移動・断絶を分析。これにより世界規模の華僑排斥に加え、華僑ネットワーク論や抗日・「親日」活動の研究をさらに深化できる。 なお、26年度はノースウエスト大学と公共事業研究所で南アフリカ華僑を包括する講演をおこなった。27年度は曁南大学(中国広州)等主催の華僑華人国際学術研討会で基調報告、及び5th Congress of Asian& the Racific Studies Inalco(フランス・パリ)でも科研関連の華僑報告をおこなっている。その他、本科研テーマの一部である『戦争と華僑続編』が完成したが、出版助成金不採択であったため、出版社と交渉中。
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