17世紀から20世紀に至るまで満洲語で描かれた世界図を含め、これまで未解読だったさまざまな満洲語の古文書・古地図を中心に大清国における国境形成の歴史を分析することができた。清代宮中の地図作製機関である造弁処輿図房において、多くの官製地図が作製されていたことを明らかにした。さらに、国内外所蔵の満洲語地図と文書を中心に、大清国とロシアとの間に締結されたネルチンスク条約、キャフタ条約、大清国とジューンガルとの国境交渉の過程を検討し、国境を設定するときに、地理情報や自然環境に基づき、山脈と河川を中心に分ける基準とした歴史を明らかにした。
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