研究課題/領域番号 |
26370859
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
前野 弘志 広島大学, 文学研究科, 准教授 (90253038)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | レバノン / ティール / 呪詛板 / 古代宗教 / 碑文学 |
研究実績の概要 |
今年度の最大の成果は、2010年にレバノン南部の都市ティール郊外の地下墓から出土した呪詛板に関して、A New Curse Tablet from Tyre Discovered in 2010と題した英語論文を、レバノン文化省考古総局が出版する学術雑誌、Bulltin d'Archeologie et d'Architecture Libanaises, Ministere de la Culture Direction Generale des Antiquitesに投稿したことである。掲載される巻号は未定であるが、2016年中には出版されるとのことである。 第二の成果は、現行の科研が終了した後にはティール郊外の地下墓を発掘調査する予定であるが、それを実現させるために、レバノン文化省考古総局を訪問し、局長のSarkis El Khoury氏、およびAsas Seif氏と面会して、発掘許可の条件等の打ち合わせを行った。レバノン文化省考古総局としては、私が科研費を獲得しさえすれば発掘が開始されるとの、事実上の許可を得た。また在レバノン日本国大使館を訪問して大塚聖一大使とお会いし、これまでの研究状況や今後の計画を説明し、レバノン南部の治安等についてお話をいただいた。 第三の成果は、在レバノン日本国大使館が継続的に実施している文化的支援に関する広報記事として、上記の呪詛板発に関する研究成果の概要が、遺跡や遺物などの写真入りで、レバノンのフランス語新聞L'Orien le Jourに掲載されたことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、ギリシア語魔術パピルスに関する論文を出版し、上記の2010年ティール出土呪詛板に関する英語論文の掲載決定にまでこぎつけたが、1600枚を超える呪詛板テキストのすべての収集は、予想外に時間がかかり、手間取っている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、呪詛板テキストの収集を継続して行うが、場合によっては、ジャンルを絞る必要があるかもしれない。現在は、競技に関する呪詛板について、集中的に検討を行っている。また10月初旬には、レバノン考古総局の研究員Sikulawi氏を招いて、ティール郊外の遺跡の発掘状況についての講演をしていただくことになっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の10月上旬に、レバノン考古総局の研究員Nader Siklawi氏を広島大学に招聘して、ティールにおける遺跡発掘状況およびさらなる呪詛板発見の可能性などについての講演をしてもらうために、Siklawi氏の旅費・宿泊費等の一部として28万円を残しておいたため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の通り、Nader Siklawi氏を講演に招くので、問題なく予算を執行できるものと考えている。
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