19世紀第一四半期の英領ジャマイカ4砂糖農園における奴隷の出生と死亡の季節的変動を検討した。結果として死亡数は、4農園に共通して共通して、概ねピークが6~9月でボトムが1~3月というパタンを示すことが分かった。死亡については、年初の労働集中よりも寧ろ気象的条件の厳しさの方が大きく作用した。もちろん死亡数の水準は農園ごとに異なり、これは農園の奴隷管理のあり方の相違が作用していよう。対して出生の方は有意な季節変動パタンは見出し難い。気象条件が厳しい時期や労働集中期に出生が低下する農園がある一方、出生数が年を通してほとんど変動しない例やピークがそれら出生には不適な時期に来る例も見い出された。
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