研究実績の概要 |
十二分な研究成果をあげることができ、大変に満足している。当初5年間の計画だったものを4年間で打ち切り、あらたな研究計画によって科研費に申請(採択、基盤研究C、課題番号 18K01044、研究課題 「ハワイの日本語新聞と占領期日本の救済運動 日系人メディアによる戦後日本の復興支援、2018年度-2022年年度」)したのは、そのためである。 期間を通じた主要な研究成果として、図書3冊(単著1冊、共著2冊)、査読性の国際雑誌論文1本(英語)、査読性の国内雑誌論文2本(日本語)、査読性の国際学会発表論文3本(英語)、査読性の国内学会発表論文1本(日本語)、国際的な招待公演3回(英語)、をうみだすことができた。 とくに重要なのは、2017年11月13日から15日までスタンフォード大学のHoover Institution Library & Archivesで開催されたJapanese Diaspora Initiative Workshopにおいて発表した論文である。タイトルは“The “Enemy Language” Press in Hawai‘i under Martial Law: The Nippu Jiji, Hawaii Hochi, and Licensing System during World War II”で、当初から目標としていた真珠湾攻撃直後からはじまったハワイ軍事政府による新聞免許制、およびそれにつづく一時的な発行停止と発行再開の政策決定について、ハワイ大学やハワイ日系文化センターで収集した信頼度の高い一次史料を駆使して、実証的に跡付けることに成功した。 このワークショップは、スタンフォード大学が開始したオンラインの日本語新聞データーベース・プロジェクトを記念して初めて開催された国際的学術会議であり、アメリカ・南米などを含む世界の日系移民研究者が一堂に会し、実にコンペティティブであった。この会議で論文を発表できたことは、厳しい審査を通過したこともあわせ、本研究者の成果が高い評価を得たことの証左ととらえられる。
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