研究課題/領域番号 |
26370878
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森原 隆 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70183663)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フランス外交 / オスマン帝国 / ヴェルジェンヌ / フランス外務省 / フランス革命 / 絶対王政 |
研究実績の概要 |
1.とくにヴェルジェンヌ外務卿時代の外交政策に焦点をあて、まずヴェルジェンヌに関する伝記、評伝などの個人研究書を渉猟することから始めた。近年の研究文献や、さらに史料に収められたヴェルジェンヌの書簡、手稿史料を手がかりにして、分析した。する。わがくにには、これにかんする研究はなく、ヴェルジェンヌの評価も充分なされていないので、新しいヴェルジェンヌ像の構築の手始めの作業をを行った。 2.フランス外務省文書館、マザラン図書館などで、近世フランス外交書簡文書に関する包括的な現地調査を行った。史料全体の時系列、地域別、内容別の系統、分類を行うべく、全体の見取り図を作成しようと努めた。史料は膨大であるので、綿密な調査は困難であるが、これにあわせて、近年の研究文献の収集と調査を行った。また国立古文書館、フランス国立図書館、などで研究文献の調査を行った。 3.2014年春に来日したフランス国立社会科学高等研究院のJ・F・ショーブ教授を中心に、シンポジウム、研究報告会、講演会を開催した。教授は、フランス、スペインを中心とした近世ヨーロッパの外交問題、絶対王政、宗教・民族問題研究者として知られ、多くの研究業績があり、申請課題についても、「絶対王政理念」や「勢力均衡論」に関し、独創的な分析を行っている。この学術交流をとおして、、当該期のフランス外交の意味や意義を比較史考察的に再検討した。 4.トルコのイスタンブールに研究出張し、フランス・オスマン外交に関する資料調査を、軍事博物館、宮殿・モスク等で行い、ヨーロッパとオスマン外交に関する知見を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、実施計画に沿って進めている。研究としては、平成26年度は、J・-F・ショーブ教授を中心に、シンポジウム、研究報告会、講演会を開催したが、その報告書を次の研究雑誌に掲載し、研究成果を得た。「J・-F・ショーブ教授講演会「礫岩国家」の3点測量」、『プロジェクト研究』第10号、2015年3月、137-184頁、早稲田大学総合研究機構。その他の研究についても順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、上記の史料調査・分析を継続して行いたい。また、平成27年度の計画としては、以下のとおりである。 1.近世フランス期の外務卿府の実態や機能について、分析する。当時の外務省の成立経過、局構成、人員配置、職務分担などについて、上記史料の関係箇所を照合することで、検討を加えていきたい。また、近年刊行された外務省に関する研究書に基づいて、近・現代のフランス外交政策との関係を考察したい。 2.18世紀後期のショワズール外務卿 時代の外交政策に焦点をあて、ショワズールに関する伝記、評伝などの個人研究を渉猟することで、ショワズール自身の生涯を詳細に追跡する。上記史料におけるショワズール関連の手稿文書などを調査・分析する。ショワズールについては、すでに前回の研究以来、継続して分析を進めているが、わがくににはほとんど専門的な研究がなされていないので、伝記的な分析と同時にショワズールの自由主義外交の問題についても継続して幅広く検討する。とくに七年戦争時のフランス外交を、対オーストリア、対プロシア政策を中心に、史料から分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究図書の購入計画が遅れたため、図書の購入費を次年度に先送りした。また、予定していた外国出張が、多忙のため、今年度は1回(トルコ)で短期間に終わったので、その分の出張費を次年度に先送りした。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、研究図書の購入を計画通りに実施したい。また、外国出張も、計画通り、2回に分けて、南欧・東欧いずれか長期で行いたいと考えている。
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