本研究は、近世フランスの外交政策とくにイギリス、アメリカに対する対外交渉の展開を、フランスの外交書簡を中心にした文書・文献資料の渉猟と解読をとおして分析し、とりわけ1780年代のヴェルジェンヌ外務卿時代(1774年~1787年)のフランス外交の意味や意義を、ヨーロッパだけではなくオスマン帝国、ポルトガル、スペイン、ロシア、ポーランドなども含めたグローバルな視点から捉えなおそうとしたものである。史料としては、とくにヴェルジェンヌ外務卿や外務係官による外交書簡、指令書、認可書、会計文書などに関して、フランス外務省の外交文書館や国立古文書館などの手稿史料を中心に分析した。
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