2014年度からの調査・研究により、古墳時代豪族居館と王宮との関係が分かってきた。特に、三ツ寺Ⅰ遺跡や北谷遺跡のレーダー探査やボーリング調査の成果によって豪族居館では突出部の位置や数などの特徴から平面企画の上で類型が存在することが判明した。卑弥呼の王宮とも言われる奈良県纏向遺跡は東西軸をとって建物が左右対称に並ぶ。それは豪族居館にはほとんどみられない特徴で、後の王宮の特徴に近い。ただし、それらが南北軸であるのに対し、東西軸を取っている点が相違点である。これは古代中国の影響を受けている可能性が考えられる。なお、葺石をもつ居館・王宮の上毛野と大和、さらには朝鮮半島との技術系譜・関係が注目される。
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