本研究は、コーカサスにおける新石器文化の起源を探求するために、新石器文化に先行すると考えられる中石器(完新世初頭)遺跡の文化内容を検討することを目的とした。そのために主としてアルメニアにおいて中石器遺跡を発見するための踏査と発見された遺跡の試掘調査を行った。その結果、前6800年頃のレルナゴーグ遺跡を発見し、さらに同遺跡の試掘調査によって、中石器遺跡と新石器遺跡との間には石器製作において大きな違いがあることが明らかとなった。現段階では、中石器集団と新石器集団との間に物質文化の上で繋がりが確認できないことから、中石器集団を前6千年紀の新石器集団の起源に位置づけられないと結論付けた。
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