5~8世紀の西日本の集落遺跡の高床倉庫の検討により、単位集団ごとの倉庫の所有、管理および首長・豪族居館の倉に示される私富の蓄積が進展すること、その一方で群倉とも呼ぶべき集落全体で所有、管理される倉庫群が継続して存在することを示した。高床倉庫の所有と管理が、この時期の社会関係とその変化を解明する上で、重要な資料のひとつであると認識することができた。各種の史料に登場する倉も、そのような様相と対応するものであろう。 また、5世紀以降の倉庫は建築構造、穀物貯蔵システムなど様々な面で、朝鮮半島南部の影響をうけていることを論じた。
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