研究課題/領域番号 |
26370901
|
研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
森 達也 愛知県立大学, 日本文化学部, 客員共同研究員 (70572402)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 貿易陶磁研究 / 東西交流研究 / 陶磁考古学 |
研究実績の概要 |
当初の計画では、2014年度は14世紀から16世紀の中国輸出陶磁の生産地(窯址)を調査する予定であったが、研究2年目以降に現地調査を予定している中近東地域の政情がきわめて不安定であり、今後調査が不可能になる可能性があるため、まず現時点ではまだ比較的情勢が安定しているイランとトルコ地域およびトルコと密接な関係があるギリシャ地域の現地調査を主に実施した。また、これらの地域の調査を実施すると26年度予算では中国現地調査費が確保できなかったため、2年目以降に予定していた沖縄出土遺物の調査を実施した。 イランではホルムズを中心とした複数の港湾遺跡の踏査を実施し、本研究が対象とする14世紀から16世紀の中国貿易陶磁研究の重要な資料を得た。ホルムズ島の詳細な踏査、旧ホルムズ地域の複数の遺跡の踏査、ゲシュム島上の複数の遺跡の踏査、バンダレ・レンゲ東方地域の港湾遺跡踏査などを実施し、多くの陶磁資料を確認した。特に、旧ホルムズ地区とバンダレ・レンゲ東方地域では、これまで報告されていない遺跡を確認しており、遺構と遺物の状態から見て、当該分野の研究上きわめて重要な発見である。 トルコ、ギリシャでは主に博物館所蔵資料の調査を実施し、やはり当該時期の貿易陶瓷研究の重要な資料を確認することができた。 沖縄では、沖縄県埋蔵文化財センター所蔵の首里城発掘調査資料の調査を中心に、勝連城、浦添城など当該時期の重要遺跡の踏査を実施し、研究推進上の基礎的かつ重要な資料を蓄積した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究実績の概要でも述べたが、中近東地域の情勢を鑑みて2年目以降に実施する予定であった中近東地域の遺跡の現地調査を本年度に実施し、全体計画の流れを変更したが、基本的3年間で実施する予定の研究内容の1年分は確実に実施しており、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度(2年目)に当初1年目に予定していた中国の貿易陶瓷生産地の現地調査を実施し、3年目には、東南アジアや中南米の現地調査を実施するつもりである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画の中国陶磁生産地の現地調査を、2年度以降に予定していた中近東地域の遺跡現地調査に切り替えたため、差額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度の中国陶磁生産地の現地調査で使用する予定である。
|