14~16世紀はモンゴルの海の時代から大航海時代へと東西交流史が大きく転換する時期である。該期の中国貿易陶磁は世界各地で発見され、東西交流史などの研究や、各地の遺跡の年代を決定する基準資料として極めて重要な資料であるが、まだ十分に研究が進んでいない部分が少なくない。本研究では、該期の貿易陶磁を生産した、景徳鎮窯(江西)、龍泉窯(浙江)、福建・広東諸窯などの古窯址と出土遺物の綿密な調査を行なって、詳細な編年を確立し、その基礎データをもとに、東アジアや西アジアで発見された沈船資料、港湾遺跡や都市遺跡などの出土資料を詳細に分析し、中国貿易陶磁流通の経路、地域ごとの受容陶磁の特色などを明らかにした。
|