• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

骨病変から考察する先史時代の社会・生活様相について

研究課題

研究課題/領域番号 26370904
研究機関明治大学

研究代表者

谷畑 美帆  明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10440174)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード人骨 / 古墳時代 / 骨病変 / 副葬品
研究実績の概要

今年度においては古墳時代の遺構の中でも破片状態で出土している人骨資料を取り上げている。破片状態の資料についてはこれまで研究対象となることが少なく、古墳時代人骨の全体像をつかむことも困難な状況にあった。
しかし、発掘調査時より人骨研究者がかかわることによって、被葬者の人数や副葬品との関係をみていくことが可能となることが改めて提示できた。中でも栃木県や千葉県内の古墳から出土している資料については副葬品との関係についても詳細にふれることが可能であった。その結果、今年度は、個々の古墳に複数埋葬されている被葬者と副葬品との関係、骨病変の有無についての考察を実施させている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

先史時代の社会・生活様相を考察するため、骨病変にスポットをあてているが、古墳時代人骨の場合、遺存状態が不良な個体が多いため、被葬者である人骨から可能な限りの情報を抽出する必要がある。そのため破片人骨を中心に情報を抽出し、被葬者と副葬品との関係、骨病変の有無についての考察を実施している。その結果、骨病変の有無については社会的階層との関係が指摘できつつある。
また平成27年度はパネラーを国内外より招聘(佐藤敏幸・朴天秀・内山敏行・米田穣・竹中正巳 ≪発表順))し、シンポジウム「古墳に埋葬された被葬者像を探る」(8月22日10時20分から17時、明治大学グローバルフロント合計出席者数として80名が来場)を開催し、自らの研究成果と併せて考察を深める場を持つことができた。

今後の研究の推進方策

今年度以降は、保存状態の良好な資料を中心にどのような骨病変が残されているかを観察し考察を進めていくこととする。良好な遺存状態を保持している古墳出土人骨を対象に骨膜炎や骨多孔性の出現頻度を調査し、古墳ごとの特性を把握していく。また、弥生時代から確認されている結核が骨病変としてどのように広がっているのかを確認しつつ、古墳時代の社会様相を把握していくこととする。また日本列島内に位置する古墳と関係の深い韓半島出土資料についても観察と考察の作業を進展させ、今年度末に実施予定のシンポジウムにおいて成果を提示していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度においても研究のための調査観察を実施するため使用金額が予定よりも多くなっている。

次年度使用額の使用計画

次年度も今年度同様、シンポジウムまたは研究会を開催する予定である、

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 古墳に埋葬された被葬者に関する複合的研究の提示2016

    • 著者名/発表者名
      谷畑美帆
    • 雑誌名

      駿台史学

      巻: 157 ページ: 69・86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 四十八塚古墳に埋葬された被葬者を考察する2016

    • 著者名/発表者名
      谷畑美帆・中村享史・内山敏行
    • 雑誌名

      研究紀要

      巻: 24 ページ: 81・98

  • [学会発表] 古墳に埋葬された被葬者の検討-城山1号墳を中心に-2015

    • 著者名/発表者名
      谷畑美帆
    • 学会等名
      日本考古学協会
    • 発表場所
      帝京大学
    • 年月日
      2015-05-24
  • [図書] 「鶴口遺跡出土人骨について」『平成26年度四街道市内遺跡文化財発掘調査報告書』 p25-262016

    • 著者名/発表者名
      谷畑美帆
    • 総ページ数
      26
    • 出版者
      公益財団法人印旛郡市文化財センター
  • [図書] 「宿神田地区出土人骨について」『E25神田・三本木古墳群 平成23から25年度藤岡市営宿神田土地改良事業に伴う宿神田地区遺跡群埋蔵文化財発掘調査報告書』 p231-2322016

    • 著者名/発表者名
      谷畑美帆
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      藤岡市教育委員会

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi