研究課題/領域番号 |
26370906
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研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
犬木 努 大阪大谷大学, 文学部, 教授 (40270417)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 古墳 / 埴輪 / 生産組織 / 工人 / 同工品 / 胎土分析 |
研究実績の概要 |
平成28年度に実施した調査研究は以下の通りである。 ①平成27年度より継続的に実施している久津川古墳群(京都府城陽市所在)出土埴輪の調査研究を行った。まず青塚古墳出土埴輪については、城陽市教育委員会の協力を得て、墳丘出土円筒埴輪の実測・撮影・分析を行い、その成果については城陽市教育委員会より刊行された調査報告書に掲載した。その過程で、京都府立山城郷土資料館に所蔵されている同古墳出土形象埴輪の検討作業(観察・計測・撮影作業)も実施した。またこのほか、久津川古墳群における芭蕉塚古墳出土円筒・形象埴輪、山道東古墳出土円筒埴輪、車塚古墳出土円筒埴輪(いずれも京都府城陽市所在)についても、城陽市教育委員会の協力を得て調査研究を実施した(主として観察・計測・撮影作業)。 ②平成27年度に引き続き、宮内庁書陵部所蔵の百舌鳥御廟山古墳[百舌鳥陵墓参考地;大阪府堺市所在]出土埴輪についての調査研究を実施した。今年度は全体写真の撮影作業および若干の補足作業を実施し、墳丘第一段目の原位置出土円筒埴輪についての調査研究を終了した。 ③平成28年度より宮内庁書陵部所蔵の土師ニサンザイ古墳[東百舌鳥陵墓参考地;大阪府堺市所在]出土埴輪についての調査研究を本格的に開始した。墳丘第一段目の原位置出土円筒埴輪を中心として観察・計測・撮影作業を行った。若干の作業は残っているが、ほぼ大半の作業を終了した。 ④日本考古学協会総会、埴輪研究会研究大会やその他の研究会に参加して、埴輪研究に関する最新動向の把握と情報収集に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・京都府城陽市に所在する久津川古墳群出土埴輪についての調査研究を継続し、青塚古墳・山道東古墳・芭蕉塚古墳出土埴輪の分析を実施したが、梶塚古墳出土埴輪については予想以上に作業量が多く、やや遅れている。 ・宮内庁書陵部に所蔵されている百舌鳥御廟山古墳[百舌鳥陵墓参考地]出土埴輪については調査研究をほぼ終了したが、土師ニサンザイ古墳[東百舌鳥陵墓参考地]出土埴輪の調査研究についてはほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
・平成29年度には、下記のような調査研究活動を実施する。 ①京都府城陽市教育委員会が所蔵する埴輪については、主として梶塚古墳出土埴輪についての調査研究を実施する。調査研究に際しては、アルバイト雇用により実測など各種作業の円滑な進行をはかる予定である。 ②宮内庁書陵部が所蔵する土師ニサンザイ古墳[東百舌鳥陵墓参考地]出土埴輪の調査研究を継続する。宮内庁書陵部における資料調査に際しては、撮影・計測など各種作業の円滑な進行をはかるために、作業補助者を同行させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象資料のうち、京都府城陽市教育委員会が所蔵する久津川古墳群出土埴輪(とくに梶塚古墳出土埴輪)の調査研究に予想以上に時間と労力を要したため、次年度使用額が生じるに至った。
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次年度使用額の使用計画 |
城陽市教育委員会が所蔵する久津川古墳群出土埴輪の調査研究の遂行にあたっては、アルバイトを雇用し、実測など各種作業の円滑な進行に努めるものとする。
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