研究課題
本研究は日本農業をいかに存続させ成長させるか、それによっていかに農地と国土を保全し、農村社会を維持するかの戦略と、それを実現するための地域的条件を、地域農業の時空間的動態について実証的調査を行うことによって明らかにする。主な研究対象を、首都圏とその周辺の甲信越・南東北とした。平成26年度から実施してきた現地調査結果のうち、田林と菊地は北陸地方における企業的稲作経営と法人化された集落営農による農業の存続・成長戦略を、西野は高崎市の農産物直売所を核とした農業経営の持続形態について、そして菊地と田林は立川市の都市農業についてまとめ、3編の論文として日本地理学会のE-journal GEO 11巻で発表した。さらに田林は茨城県鉾田市の施設園芸について、菊地は東京都小平市の都市農業と群馬県昭和村の企業的な野菜の生産・加工・流通について、西野は群馬県嬬恋村の高冷地野菜栽培について調査し、結果を取りまとめた。また、田林と菊地と西野は共同で、山梨県笛吹市の果樹農村を集中的に調査し、さらに福島盆地の園芸農業と米沢盆地の銘柄肉牛生産、山形県金山町の中山間地農業、千葉県の九十九里平野の水耕栽培による施設園芸、南房総の道の駅が地域農業の存続に果たす役割について調査した。現地での実証的研究と統計・文献の分析、日本中央部の都県の農業振興政策の整理などに基づいて、存続・成長の可能性のある農業経営を第1には「農産物生産を中心に大規模化・施設化・集団化するもの」、第2には「農産物を生産・加工・流通させるもの(農業の六次産業化)」、第3には「観光などの他産業を組み合わせ持続するもの」の3つに分類し、さらに第1の類型は農産物の種類によって細分し、それらの分布に基づいて日本中央部の農業地域区分を行った。また、それらの諸類型が成立する地域的条件を整理した。これらの結果を、研究成果報告書としてまとめた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件) 図書 (3件)
経済論集
巻: 190 ページ: 69-88
地域政策研究
巻: 19 ページ: 印刷中
地理空間
巻: 9 ページ: 63-86
巻: 9 ページ: 87-113
E-journal GEO
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巻: 9 ページ: 205-220
月刊NOSAI
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European Journal of Geography
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地学雑誌
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10.5026/jgeography.125.857
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