本研究は主として日本中央部を対象として、存続・成長の可能性のある農業経営形態を把握し、その地域的条件を明らかにした。存続・成長の可能性のある農業経営形態としては、(1)農産物生産を中心に大規模化・施設化・集団化するもの、(2)農産物を生産・加工・販売するもの(農業の六次産業化)、(3)観光などの他産業を組み合わせて持続するものに整理した。そして、それぞれの自然・位置的条件と経済的条件、社会的条件、歴史・文化的条件、政治・政策的条件について分析した。これらの地域的条件のもとで農業を存続・成長させるためには、経営感覚に優れ地域社会を主導することができる人望のある農業経営者の存在が不可欠である。
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