研究課題
基盤研究(C)
本研究では,19世紀の大陸ヨーロッパを例として,広義の地理学と,非専門家の参入を許容する公共空間との,偶有的な接合の諸形態を解明することを目的とした。図書館や文書館,そして現地での資料収集は,ドレスデン,ミュンヘン,アントワープ,パリ,ブリュッセル等で行われた。結果として,講演会場や展覧会場,そして広場や公園といった公共空間は,様々な状況のもとで,地理学の思想と実践を一般大衆に浸透させる場として,また,大衆の視線が当時の地理学の内実に反作用を及ぼす場として機能したことが明らかになった。
人文地理学