研究課題/領域番号 |
26370926
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
平 篤志 香川大学, 教育学部, 教授 (10253246)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中小企業 / 地場産業 / 国際展開 / 経済地理学 |
研究実績の概要 |
本研究は,リーディング企業の役割に注目して,地方地場産業の生存戦略を地理学的視点から解明することを目的としている。本年度は,3年の研究期間の中間年に当たる。主として,四国企業のリーディング企業に重点をおいて,事例企業への聞き取り調査を中心に,国内外でフィールドワークを実施した。具体的には,香川に本拠をおいて,インターネットを通じて,全国的に靴関連商品の販売を手がける企業(企業A)と,同じく香川県に本拠をおいて,フィリピン,ベトナム,中国において手袋関連商品の生産を手がける企業(企業B)を事例企業として,詳細な聞き取り調査を行った。特に,後者においては,フィリピン・マニラ近郊の現地法人を訪ね,責任者から聞き取り調査を実施した。合わせて,東京のJETRO 本部図書室など,国内関係機関において,各種統計・文献資料を収集し,分析した。 中間的な結果として,国際化時代における中小企業の生存戦略として,企業トップのリーダーシップの元,積極的に国内外に展開し,かつ本社立地地域への社会的・経済的貢献を重視する姿勢が重要であることが明らかになった。また,「頭脳」としての本社機能を地元に維持する工夫も合わせて肝要であることがわかった。 以上の中間報告について,2015年8月,ロシア・モスクワで開催された国際地理学連合(IGU)地域大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,期間3年の研究の中間年に当たる。四国に本拠をおく中小企業を事例として複数選定し,本社のみならず,当該企業の海外(フィリピン)の事業所においても,現地責任者を対象に詳細な聞き取り調査を実施し,最新の状況について確認することができた。また,合わせて東京のJETRO本部図書室など,国内の関係機関において,文献・統計等の資料を収集することができた。さらに,研究の中間報告として,ロシア・モスクワで開催された国際地理学連合(IGU)地域大会で発表する機会を得た。上記より,本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,期間3年の研究の最終年に当たる。したがって,補足調査を行いつつ,研究の総まとめを行うことが最大の目標となる。 補足調査としては,国内外において,中四国に本拠をおきながら積極的に国際展開を行っている中小企業の実態調査を継続したい。合わせて,これまでの研究結果を,国内・海外の学会で発表するとともに,論文にまとめ,国内外の学会誌等に投稿したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として,まず当初想定していた「人件費・謝金」と「その他」経費が発生しなかったことがある。また,旅費も当初の予定を若干下回った。一方,物品費は当初の予定を上回った。結果として,差し引き,12万円程度の残が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
上記次年度使用額については,物品費(図書等)と旅費(調査旅費等)に充当したいと考えている。
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