研究課題/領域番号 |
26370928
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
藤塚 吉浩 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (70274347)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ジェントリフィケーション / 旧社会主義都市 / 共同住宅開発 / ウォーターフロント |
研究実績の概要 |
2015年度は、旧社会主義都市のプラハにおける現地調査を行い、主に次の3点の研究成果を得た。 まず、社会主義後の1990年代には、旧社会主義政府が没収した資産の返還により、社会主義移行前に良好な住宅地であったヴィノハラディでジェントリフィケーションが進行した。当地区では、多くの老朽化した建物の修復、再利用が行われた。歴史的な建築物の多い旧市街では、旧社会主義体制下では商業は重視されていなかった。1990年代には建物の1階部分の商業的な利用が進められるとともに、ホテルへの建物用途の転換もあった。これら影響により、旧市街では人口が大きく減少した。 次に、2000年代になると、ヴルタヴァ川沿いのウォーターフロントにおいて、港湾産業が集積していたところに、オフィスと住宅の複合開発が行われた。外国資本による共同住宅開発が進められており、東欧からの外国人の来住者が増加していることを確認した。 また、これらの共同住宅開発が行われた場所は、元来運河や水路のあったところであり、地盤が低い。そのため、ヴルタヴァ川の異常水位による浸水被害が度々起こっているが、抜本的な対策は不十分であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プラハにおける都市再生について現地調査を行うとともに、日本地理学会春季学術大会において成果の一部を報告した。 旧社会主義都市と先進資本主義都市におけるジェントリフィケーションの差異について、IGU Regional Conference in Moscow において、研究成果を報告した。また、日本都市社会学会において、ジェントリフィケーション研究のフロンティアについて、既往の研究成果を展望した講演を行った。 また、ベルリン東部の都市再生に関する現地調査の成果は、『都市地理学』11号に「社会主義後のベルリン東部におけるジェントリフィケーション」として掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は、ハンガリーのブダペストにおいて、都市再生の現地調査を行う。その成果については、日本地理学会の春季学術大会において報告する計画である。
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