本研究では、TPP大筋合意によって米の輸入圧力が高まる中、日本と輸出国側ではどのような準備や対策が取られているのか考察した。その結果、米国カリフォルニア州では輸出増が必要なほどの余剰米の発生はなく、日本人が好む短粒米の生産適地も広くないことが明らかになった。一方、日本では北海道のような大規模産地では低コスト経営と高品質な米作りを併進させることで、中国山地のような中山間地域では集落営農で農地を集積したり補助金が得られる飼料用米の作付をするなどして、米価下落や需要減に対処しようとしていることが明らかになった。
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