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2014 年度 実施状況報告書

フィリピン共和国から海外流出する若手頭脳の還流に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370933
研究機関立正大学

研究代表者

貝沼 恵美  立正大学, 地球環境科学部, 講師 (80633495)

研究分担者 田中 耕市  茨城大学, 人文学部, 准教授 (20372716)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードフィリピン / 頭脳流出 / 国際情報交換
研究実績の概要

今日,フィリピンにおいては海外への若手頭脳の流出が加速している.それは流出した若手頭脳による本国への送金などを通じた経済的効果もあるものの,人材育成という観点からは人的資本の蓄積がなされず損失も大きくなっている.
本研究では労働力輸出大国としてのフィリピンにおいて海外に流出した若手頭脳の存在意義を考え,彼らが国の経済に果たす役割,そして本国に帰還するまでのメカニズムを明らかにする.
以上の目的を達成するため,平成26年度は,1)日本国内に在住するフィリピン国籍の若手頭脳への聞き取り調査を中心とする情報収集,2)フィリピンにおける本テーマに関する専門家との意見交換,3)フィリピンにおける本テーマに関する統計等の資料収集,
を行った.
1)については,茨城県に居住する来日後1~15年の研究者を対象に聞き取り調査を行い,来日に至った経緯,現時点で日本に滞在する根拠,本国への帰国に対する考え,帰国を決断するに際しての障壁などについての意見を収集した.2)に関しては,マニラ首都圏においてUniversity of the Philippines, Philippine Institute for Development Studies, Philippine Rice Research Instituteなどの研究者と,本テーマに関する意見交換を行った.また3)については,Philippine Statistics Authorityなどにおいて統計データを入手し,現在,全体としての動向を把握すべく分析に努めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「平成26年度の研究実施計画」と比較すると,POEA(フィリピン海外雇用庁)の地域事務所における調査は今年度は実施できなかったものの,「平成27年度の研究実施計画」の一部を先行的に実施することが可能であったため,おおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

平成26年度の研究において構築しえたパーソナルネットワークをもとに,より一層の情報やサンプルの収集拡大に努める.また平成27年度はフィリピンにおける現地調査を複数回にわたり実施し,実際に海外から帰還した若手頭脳への聞き取り調査をもとに,より詳細なメカニズムの解明を行っていく.さらには同テーマを専門とする研究者との意見交換を一層推進し,オーストラリアなどの諸外国に流出した若手頭脳に関する情報も収集していく.

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりも現地での調査期間が短くなったことが主たる理由である.それは,調査先との日程の折り合いが付かず,予定していた調査が実施不能となり,延期せざるを得なくなったことによる.また,当初予定していた学会発表等も予定が合わず、学会自体の参加を見送らざるを得なくなったことも理由として挙げられる.

次年度使用額の使用計画

平成27年度は前年度に実施不能であったものも含め,集中的な調査を複数回にわたり実施し,研究を遂行していく予定であるため,その過程で,渡航のための旅費や調査協力者への謝金などでの支出を計画している.

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公開日: 2016-05-27  

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