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2016 年度 実施状況報告書

タイ北部、ユーミエンの新たな宗教現象と民俗知識の再編に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370944
研究機関東京学芸大学

研究代表者

吉野 晃  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60230786)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードユーミエン / 歌謡 / 歌謡言語 / 女性シャマン / 女性の儀礼参入 / 新しい宗教現象 / 国際研究者交流 / タイ
研究実績の概要

平成28年度は、タイ王国において、5月3日~8日(パヤオ県チエンカム郡、ナーン県ムアン郡)、8月9日~20日(パヤオ県チエンカム郡、チエンラーイ県ムアン郡)、3月19日~29日(パヤオ県チエンカム郡)に現地調査を行った。当年度の研究計画では、歌唱文化の聴取および新宗教現象の調査を継続することであった。
1)今年度は、ミエンの歌の詠唱法と歌謡言語に関する調査に力点を置き、パヤオ県チエンカム郡、ナーン県ムアン郡において、歌謡テキストの発音の確定と意味の解読を行った。また、即興歌の録音と発音確定、意味の聴取も遂行した。これらにより、詠唱法の詳細が明らかになり、さらに歌詞に見られる歌謡言語の採集がすすんだ。これは2)の儀礼における女性シャマンの歌による託宣を解読するために必要な作業であった。
2)昨年に引き続き、陰暦七月十四日の儀礼の調査をチエンラーイ県ムアン郡で行い、儀礼の録画と分析、女性シャマンのライフヒストリーの聞き書きを行った。これまでの調査で女性シャマンの経歴・成巫過程を把握することができ、師弟関係のラインも明らかになった。また、1)の歌謡に関する調査結果にもとづいて、女性シャマンの歌による託宣・儀礼の唱え言の解読も徐々に進みつつある。
3)これまでの儀礼の観察で、儀礼の内容が変化し、女性シャマンの集団儀礼が増加する一方、個人的な診断・治療儀礼が減少していることを見いだした。個人的な儀礼を避け、女性シャマンの集団の組織的統合が強くなってきたと看取される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)歌謡の詠唱法と歌詞の発音記録分析・意味の解読、2)女性シャマンが執行する儀礼調査および個々のシャマンに対する聞き取りについて、ほぼ予定通りの調査を実行できているため。

今後の研究の推進方策

特に大幅な研究遂行上の変更はない。所期の予定通り現地調査を累積する予定である。

次年度使用額が生じた理由

現地インフォーマントとの日程調整で一部調査を取りやめたため。

次年度使用額の使用計画

次年度に行う補充調査の旅費として支出する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] タイ北部のミエンにおける歌と歌謡語(2):「後生娘子歌」発音と注釈2017

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要 人文社会科学系Ⅱ

      巻: 68 ページ: 47-58

    • DOI

      http://hdl.handle.net/2309/146897

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [図書] 中国における歴史の資源化の現状と課題2017

    • 著者名/発表者名
      塚田誠之、河合洋尚、韓敏、松本ますみ、廖国一、高山陽子、稲村務、権香淑、大野旭、藤井真湖、長谷川清、松岡正子、吉野晃
    • 総ページ数
      335(317-332)
    • 出版者
      国立民族学博物館

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公開日: 2018-01-16  

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