研究課題/領域番号 |
26370945
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
成定 洋子 沖縄大学, 法経学部, 教授 (60637388)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ジェンダー / セクシュアリティ / 沖縄 / 労働 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、平成27年度に引き続き、沖縄県立公文書館や県内の各自治体などにおける歓楽街・社交街(以下、歓楽街)や性病予防・性病予防法に関連する資料収集・文献調査に加え、戦後沖縄における女性労働者の中でも、各種調査の対象となってきた米軍基地のメイド労働に関する資料収集・文献調査を新たに行い、それらの分析考察を通して、戦後沖縄における労働、共同体、ジェンダー、セクシュアリティの関係、それらと社会規範や諸概念との関係などについて丁寧に模索・検討する作業を実施することができた。 また、このような文献作業と並行しながら、沖縄本島の米軍基地周辺の歓楽街地区において定期的にフィールドワークをすることで、歓楽街の日常的な在り様や変化を探りつつ、現代の沖縄につながる歴史的経緯の中で、歓楽街の設置・維持・変容・浄化におけるそれぞれの過程の社会文化的な背景や意味合いを明らかにする試みを行ってきた。 さらに、第6回全米セックスワーク会議(The 6th National Desiree Alliance Conference: The Sex Worker Rights Movement: Addressing Justice. 於:米国・ニューオリンズ、2016年7月)に参加し、米国や他の国々・地域における性産業やセックスワーク、歓楽街浄化における法的・社会的問題の検討とともに、今後の課題について意見交換することができ、平成29年度の研究の中で生かしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度前半の研究状況は概ね順調に進展していたが、後半は体調不良により調査や研究に遅れが生じることとなったため、平成29年度に延長する形で研究の最終段階を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、これまでの三年間の成果を踏まえて、理論的整理に加えて、フォローアップ的な文献調査とフィールドワーク、インタビュー調査を実施しながら、戦後沖縄における歓楽街のポリティクスについて本研究成果をまとめる作業を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度の後半は、体調不良のため、調査研究に遅れが生じることとなった。そのため、補助事業期間延長を申請した。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度は、2016年度後半に予定していた調査研究を行うとともに、最終年度として、本研究成果をまとめる作業を行う予定である。
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