本研究の最終年度には、研究調査の成果を『チュニジア革命と民主化―人類学的プロセス・ドキュメンテーションの試み』と題する著書にまとめ、明石書店から出版することができた[総頁数 530頁]。本書では、チュニジア革命の背景と要因の解明に始まり、革命の進行過程、ベンアリー政権の終焉、その後の民主化移行過程と新政権発足までを、開発学でのプロセス・ドキュメンテーションという手法を援用して論述した。 本書は、そのプロセスを多くの聞き取り資料に基づきつつ、それらを多声的、多所的、多面的に描き、またミクロ・メゾ・マクロの多次元との関連性も含めて、それらを一つの時間軸に乗せて描いた点で独創的であると考えている。
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