研究課題/領域番号 |
26370961
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中島 成久 法政大学, 国際文化学部, 教授 (80117184)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アブラヤシ / インドネシア / ヘゲモニー / ニアス人労働者 / トラック運転手 / 不法占拠者 / PHP農園 |
研究実績の概要 |
1 ジャカルタの研究機関、NGOなどでのインタビュー(2014年8月20日~23日) *一時的にボゴール市にあるインドネシア科学院(LIPI)の上級研究員であるエルウィザ・エルマン博士と、アブラヤシ農園労働者問題についてインタビュー*ボゴール市にあるSawit Watch(インドネシアアブラヤシ開発ウォッチ)において、インドネシアのアブラヤシ開発の現状とアブラヤシ農園労働者問題の実態に関するインタビュー*HUMA(エコロジーと慣習法に基づく法改革連合)代表のアンディコ氏と、インドネシアアブラヤシ農園労働者に関するインタビュー*東南アジア最大のアブラヤシ関連アグリビジネスであるウィルマー・グループに関する文献調査、および同グループインドネシア本社でのインタビュー調査の可能性を探る活動 2 西スマトラ州でのフィールドワーク(2014年8月24日~9月2日) *アンダラス大学社会政治学部のアフリザル教授と西スマトラ州におけるアブラヤシ開発の現状に関するインタビュー*アンダラス大学文学部歴史学科のアナトナ講師と、同氏の博士論文である19世紀中葉に行われていたニアス島奴隷に関するインタビュー*アンダラス大学社会政治学部のスリ・セチャワティ講師と、西スマトラ州におけるニアス島人民族的特性に関するインタビュー*PHP(パサマン緑の宝石)農園のニアス人労働者家族と、仕事、収入、生活、教育、宗教などに関するインタビュー*PHP農園のアブラヤシ果房トラック運転手との、仕事、収入、生活、家族などに関するインタビュー*2010年5月、元アブラヤシ農園労働者のニアス島人不法占拠集落の焼き討ち事件に関するインタビューおよび文献調査 3 アブラヤシ研究会での発表(2015年1月10日、東京大学駒場キャンパス)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アブラヤシ開発の現場における労働者の実態についてはかなり資料を集めることができた。特に、西スマトラ州西パサマン県のPHP農園でのアブラヤシ農園でのニアス人労働者の数の多さと彼らの従属的な地位については十分な資料を集めることができた。 しかし、PHP農園以外の他の農園でのニアス人労働者の実態日ては、まだ十分な資料を集めてはいないので、今年度はその資料を収集することが必要である。 さらに、農園労働者を管理支配する会社=資本側の実態についてはまだほとんど手つかずであるので、現地の研究者NGO関係者との連携を密にして、その実態に迫ることが必要である。 アブラヤシ研究会で報告を行い、関連研究者との意見交換を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度と来年度は以下の手順で研究を行う。 1 アンダラス大学関係者の協力を得て、西パサマン県でのニアス人労働者の実態を集中的に調査する。 2 東南アジア最大のアブラヤシ関連アグリビジネスであるウィルマーグループの実態について、現地でのフィールドワークのみならず、インドネシア、シンガポール、マレーシアでの同グループの実態をについて、インタビュー調査と文献研究を行う必要がある。 3 日本の学会研究会のみならず、海外での学会研究会で研究発表を行う。 4 まず日本語の論文を書き、最終的には英語の論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年の2~3月の間にタイ南部のアブラヤシ開発について予備調査を行う予定であったが、大学院国際文化研究科長としての仕事に忙殺され、予備調査ができなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度もインドネシアでの調査を行うが、マレーシア、タイでのアブラヤシ開発に関する調査も合わせて行う。
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